この度、眼内にコンタクトレンズを挿入するICL 手術を東京の品川近視クリニックにて受けてきました。
このICL手術というのは、簡単に言うとコンタクトレンズを眼球の中に入れて、視力の回復を図る手術です。
つまり、コンタクトレンズや眼鏡無しで、半永久的に生活できちゃうんです。

ICLの高いパフォーマンスは世界中で評価されており、一流アスリートやアメリカ軍等にも公式に導入されています。
私は幼い頃から視力が悪く、視力は両目とも0.04という強度近視。
メガネとコンタクトがないと生活できない人生でした。
こうした生活を抜け出したいという強い決意をし、無事、二時間前に手術を終え、本記事の執筆を今行っています。笑
「目の手術だなんて怖い!」「値段が高い!」など様々な意見もありますが、手術を終えた今、個人的には大満足です。
日本では海外諸国と比較してもまだ体験談が少ないように思えたので、あらゆる文献を熟読し、自分の体験談も踏まえ本記事にまとめてみました。
検討している方、眼鏡やコンタクトレンズにうんざりしてきている方、是非参考にしてみてください。
Table of Contents
1. 私がICL手術を受けようと思ったキッカケ

ICL手術を受ける決心をした理由は主に5つ。
ストレスフリー
私は、自分の裸眼で生活できていた時期がほぼ皆無です。(少なくとも記憶に残っていない)
朝起きて時間を確認したり、大好きな景色、人、ペットをみるために寝ぼけながら眼鏡を手探りする必要もなく、1日をスタートできます。
あとは、急な外泊や旅行。
コンタクト用品を持ち合わせていない時の「絶望感」を味わう必要が無い。
(私の場合、眼鏡は家のみなので、、)
これは、私並みに視力が悪い人は同感してくれると思います。
視力を奪われたときの人の無力さよ!(自分のミスだけど)
あとは、海に行ったりキャンプをする時。また、私の場合バイクに乗ったとき風をもろに受けるので、コンタクトだとカラッカラになっちゃいます。笑
あとは、コンタクトレンズが波で持ってかれちゃうとか、砂やゴミが入って痛い、充血してしまう事が無い。
ドイツに留学していた時、夏は毎日のように湖で泳いだりしていたのですが、付けていた3万円のハードコンタクトが湖底に沈んでいった記憶は今でも忘れません。
映画タイタニックの最後のシーン:海底に沈んでいくジャックを見送っていくローズそのものでした、私。
また、私はもともと空手道やチアリーディングなど激しいスポーツを経験していたこともあり、コンタクトレンズの違和感から卒業した今、心の底からスポーツに没頭できます。
サングラスをかける度にコンタクトレンズを装着する必要も今では無くなったしね。
目の健康のため
実は、日本におけるコンタクトレンズが原因での眼障害は年間150万件発生しているといわれています。
つまり、コンタクト使用者の10人に1人は眼に障害をもっているらしいです。(※品川近視クリニック調べ)
コンタクトレンズの長時間装用や、長時間使用によって引き起こされる目の酸素不足は、角膜内皮細胞の減少に繋がると言われています。
※角膜内皮細胞:黒目の一番内側にあり、血液の代わりに酸素や栄養分を取り入れている細胞
また、他に眼の病気としては、角膜上皮障害や角膜潰瘍、角膜血管新生、角膜内皮障害、巨大乳頭結膜炎などを引き起こす可能性があります。
手術が終わった今、アレルギー反応や充血が軽減され、目薬の回数も減ることがやっぱり一番の楽しみかもしれない。
自分に自信をもてる
コロナの影響でいまだ外出自粛をしているのですが、視力が悪い故、自宅では眼鏡を掛けて過ごしています。
私は自分の眼鏡姿がすごく嫌いです。鏡を見た時、自分の目が小さいと萎えます。笑
というのも、強度近視・乱視が理由で眼鏡のレンズがめっっっっちゃ分厚いんです。
で、レンズの分厚い眼鏡を掛けると、プリズムの作用で目が小さく見えてしまうわけです。
とくに影響が出やすいのは、視力が0.1未満の強い近視の人がメガネをかけた場合と言われています。
24/7、毎日ありのままの自分で生活できるって快適だし、それだけで1日の気分・自信が上がります。
実はコスパが良い
コンタクト用品や眼鏡の買い足しって面倒。
しかも、強度近視(0.1以下)の人は、眼鏡選びも大変です。
まず、レンズを出来るだけ薄くしようとすると、万単位で値段が上乗せされます。
フレームも、レンズが分厚い事によって限られる事がしばしばあります。
※エビングハウス錯視
同じ大きさの2つの円を、大きな円と小さな円でそれぞれ囲んだ場合、大きな円で囲んだ方が、小さな円で囲んだものより小さく見えるという相対的な大きさに関する知覚。
下記に各視力矯正のランニングコストをまとめてみました。
種類 | 費用例 |
① メガネ2年ごとに3万円のメガネ購入 | 2年ごと:30,000円 10年間総額:150,000円 |
② コンタクトレンズ使い捨てワンデー (5,000円/月) |
毎年:60,000円 10年間総額:600,000円 |
③ ICL手術 | 初期費用:550,000円 2年目以降:0円 10年間総額:550,000円 |
④ レーシック | 1年目:350,000円 2年目以降:0円 10年間総額:350,000円 2度行うと700,000円 |
上記は10年単位でのランニングコストですが、この年数が長くなればなるほど、半永久で初期費用のみのICLは破格。
初期費用は確かに高いですが、現在20〜30代の方であれば、ICLはすごく魅力的な手段だと思います。
いざとなった時も安全
3.11の大震災の際は何事もありませんでしたが、今後こうした自然災害や交通事故にあって、もし眼鏡などがその場に無い、壊れていたらどうしよう。と、ふと思いました。
特に、日本に住んでいると大地震はあるし、台風はあるし、湿気で眼鏡は曇りやすいし、何より花粉症の方は眼鏡とマスクのダブルで大変ではないでしょうか。
何より、交通事故などで眼鏡が割れてしまったらガラスだし怖いなぁって思っちゃいます。
リスクは高くはないにせよ、保険加入と同じような「安心さ」を得られるのではないかな、と思います。
2. そもそもICLとは何か
眼内コンタクトレンズ=ICL(Implantable Contact Lens)は、まだ日本では広く知られていませんが、海外では幅広く行なわれている手術です。
レーシックが最初に報告された1990年より以前の、1980年代に開発が行われていますが、日本では、2010年に厚生労働省の承認を受けました。
なのでまだ一般の方にはあまり普及していないようで、モデルさんや軍隊の方、アスリートの患者さんが多いとクリニックではお話を伺いました。
確かに、私の手術の次の患者さん、ジムでトレーニングしてる姿がすぐ思い浮かぶような体格の人だったな。
実際にICLは、角膜を削らない手術なのでレーシック以上に矯正精度や視力の質が良いことが、世界的に権威のある学術誌に報告されています。
年齢制限は基本的には21歳~50歳くらいまでが適応、0.01の視力の人も手術できます。
眼内コンタクトレンズを入れていることは虹彩の後ろに挿入するので、他人に気が付かれこともありません。
3. ICL手術のメリット

レンズを取り出し元の状態に戻すことができる
万一問題が生じた場合にはレンズを抜去することで、術前と同じように眼鏡やコンタクトレンズの生活に戻すことができます。
これは、レーシックとの一番の違いだと思います。
幅広い度数に対応できる
レーシックでは、近視度数が強い場合、角膜をたくさん削る必要があり、手術の難易度が高くなります。
その結果、術後誤差が大きくなり、近視が再発したり、ドライアイの原因になったりすることがあると言われており、一度削った角膜は元にもどすことはできません。
ICLは度数が強くても軽くても、一枚のレンズを目に入れる同じ手術方法のため、難易度に差が生じることなく、近視の強い方でも手術を行えます。
また、強度の乱視にも対応し、レーシックの治療範囲外の度数にも対応します。
実際、私は強度の乱視でレーシックは困難と言われましたが、もともと受けてみたいと数年前から思っていたICLは無事手術できました!
紫外線をカットする素材を使用
レンズはソフトコンタクトレンズのように水分の含んだ柔らかな素材で、白内障手術にも用いられるコラマーが使われます。
コラマーは特殊な合材で、無色透明な紫外線をカットする効果もあります。
手術後はずっとお手入れ不要、定期検査を受けていただくだけで、眼の中に入れたレンズを洗うなどの日々のメンテナンスは不要です。
短い回復期間
約20分の日帰り手術両眼で約20分の日帰り手術です。
実際に私が受けたときも、本当に15-20分で手術終わりました。
手術の後は1時間ほどで検査をして、電車で帰れます。
手術後は、安全のため一週間ほど専用のサングラスをかけて生活をしますが、日常生活には支障はないです。
また、縫合や抜糸の必要がなく、傷口は自然に治癒します。
切開創は3mmと小さいため、ドライアイの原因にもなりません。
高い安全性
アンケート調査によれば、ICLをプラントした患者の満足度は99%を超えているとの事。
世界中の多くのプロスポーツ選手からも好評があり、目をぶつけても目の中でレンズが破損することはないそう。
想像すると流石に怖いけれど。笑
また、2006年以来、過酷な環境下で活躍するアメリカ軍兵士に対してICLは導入されています。
4. ICL手術のデメリット

初期費用が高い。が、私の通ったクリニックは無金利でローンをくむ事が出来るところでした。(品川近視クリニック@新橋、東京都)
一番のデメリットは、従来のICLは房水循環(目の中の水の流れ)が悪くなることから、約1~2%白内障が進行するというリスクがあるそうです。
ただ、この点に関しては、誰でも50-60代には白内障手術は人生で一度は経験するので、その時期が少し早くなるのは良かろうと私はポジティブに考えることにしました。
あとは、すべての年齢層が受けれる訳ではないのはデメリットかもしれないです。(21~40代後半のみ)
私の両親にも勧めようと思いましたが、年齢の適性外でした。
5. レーシックとの違いまとめ

ICL | レーシック | |
方法 | 眼の中に小さなレンズを移植する手術 | 角膜をレーザーで削り、視力を矯正 |
➕ | ・フラップトラブルがない ・ドライアイが起きにくい ・強度の近視でも見え方が良好 ・近視のリバウンドがない ・移植したレンズは取り出し可能 |
・広く普及 ・比較的費用が安い |
➖ | ・費用が高め | ・フラップトラブルが起こる可能性 ・ドライアイになりやすい ・強度近視の場合見え方の質が下がる可能性 ・不可逆的な手術で角膜を元に戻すことができない ・白内障になったとき正確な手術が受けれない可能性 ・夜間に視力が低下 |
角膜を削るレーシックは、角膜のなめらかさが損なわれ、鮮明さやコントラストの低下、ぼややにじみの出現を招く可能性があると言われています。
そもそも筆者は、検査を行った時点で強度近視と眼の構造上、レーシックはできないと言われました。
6. ICLの向いている人

#1. 強度近視、角膜が薄い、円錐角膜の人
#2. レーシックで角膜を削られるのに抵抗がある人
#3. 裸眼で眼を気にせず思いっきりスポーツを楽しみたい
目の形や病気、全身疾患などによって治療の対象とならない場合があります。
事前に詳しい検査を行い、目の形、状態、生活習慣などを総合的に検討して治療が可能かを専門の医師が診断を致します。
また正確な検査のためにコンタクトレンズ(特にハードレンズ)は一定の期間装用を中止していただく必要があります。
妊娠中、授乳中は視力が不安定になることがあり近視矯正手術はできません。
7. ICL手術を受けた感想

点眼麻酔で痛みはほとんどなく、片目、約10分程度の日帰り手術でした。
手術が終わった直後からもうある程度見えていて、感動しました。
手術も全然痛くなく、一連のCMくらいの時間で、本当にあっという間でした。
というか皆さん、手術しているのが「みえて」怖いと仰いますが、みえません!視力悪い方が基本的に受けると思うので、視覚的な怖さは心配しなくても大丈夫だと思います。
あえて言うなら、手術後に処方される「目薬」が少しだけしみるくらい。
数時間休むとだいぶ見えてきて、当日は70%くらいの見え方でデスクワークも可能でした。
手術の次の日はほぼ完璧にみえてきて、(手術に使う瞳孔を開く薬が切れてくる)90~100%くらいの見え方。
ウォーキングにいったり、軽く筋トレもできました。その最中も感動が止まらない!笑
本日3日目ですが、今でも眼鏡・コンタクトが無い事に良い意味での違和感を感じます。
視力もそうですが、視界も広がって、気持ちも楽になりました。
何より、重い腰が上がるというか、毎日を—キング・ランニングなども着替えればすぐいける、”Always ready to go”な状態で入れる事が本当に幸せです。
外出自粛が終わり次第、連泊でキャンプやロードバイクなどアクティブに過ごしたいと思います!
8. 最後に

これから手術を受ける方
基本、公的保険の対象にはなりませんが、医療費控除の対象にはなるので、領収書は必ず保管した方がいいです。
あと、手術への不安がある方も、安心して下さい。
よくドラマで見るような重々しい雰囲気の中での手術というよりは、チェアベッドに座ってリラックスした雰囲気の中で行われました。
手術中も、どういった器具で何をされているか自分の視覚では認識できませんでした。(ただ、医師がこれからレンズを入れますよ〜などのかけ声はしてくれます。)
手術を受けるか迷っている方
まずはICL手術を行っているクリニックを探し、適性検査を受けてみましょう!
人によって目の形や状態は異なるので、そもそもICL手術を受ける事ができるのか確かめてから、手術を受けるか否か決断するのが良いと思います。
下記リンクは、日本でICLを公式で行っている医療機関の参考です。