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人類と星空のはなし

There are more things in heaven and earth, Horatio, Than are dreamt of in your philosophy. 

宗教の信仰をしていなくても、流れ星には願い事をしてしまう私。

ふと思ったのですが、宗教やルーツ、国境を越えて、星に祈りを捧げるという行為は古来から行われていますよね。

実際、人類はいつの時代も宇宙に魅了され続けています。

日本では月見をし、七夕を祝い、他国と同様、皆既日食や流星群の日には大勢の方が星空を見上げます。

ちなみに、きたる2020年6月21日は、稀にみる部分日食が拝めるとのこと。

そんな天体のビッグイベントを目前に、浅はかながら、宇宙について自分の思うところを綴ってみました。

もくじ

宇宙に夢中

2015年、8月。人生で19回目の夏。

その年はペルセウス流星群が非常に条件よく眺められるとのことで、長野に滞在していました。

そして観測日当日の真夜中、長野の田舎道に車を停めて、ただひたすら流れ星を仰いでました。

その夜は月明かりひとつない真夏の夜で、森の静けさに呑みこまれつつ、あれやこれや流れ星に願ったものです。

しかし、山で見る満天の星空って、美しくて少し怖い。怖いほど美しいですよね。

私たちの祖先であるネアンデルタール人はどんな気持ちで流れ星を眺めていたのか、いつも頭を過ぎります。

4万年も前となると地球が球体なのはおろか、相対性理論等の科学的見解がある訳もなく、夜は火の灯りと月明かりのみ。

人類は未知で手の届かない星空に、神々や身近な動物などをあてはめて捉えなくては、怖くて仕方なかったのかもしれません。

現在も使われている『プトレマイオスの48星座』は、約5000年前のイラク付近の羊飼いたちによって、動物や英雄たちの姿を星空に描いたのが起源だとされています。

そして、その多くが古代ギリシャに伝わり、詩人たちの話に取り上げられ、神話や伝説と結びついたのだそう。

こうした未知への好奇心は探究心へと変わり、人類史がワンステップ上がったのかと思うと、いつの時代も人間の本質は変わらないのだろうな。

星で方角を知り、道や航路がつくられ、現在の社会は構成されてきたと考えると、星を観ることはある意味、あらゆる原点に戻った行為なのかもしれませんね。

無限、永遠、過去

私は星空を眺めていると、無限を傍観しているような、永遠を垣間見ているかのような錯覚によく陥ります。

いや、永遠を垣間見ながら、過去をも見つめているといった方がしっくりくる。

もしくは、無限、永遠を通して神的な何かを視つめる人もいるかもしれません。

そう考えると、星空を見上げること自体が全人類共通の儀式のように感じる。

小学校の理科の授業で一番印象に残っているのは、夜空の星が実際の様子ではなく、数十年前、数百年前、数千年前、数万年前という過去の姿だという話。

最も過去のものだと130億年前の恒星や銀河を私たちは観測できるそうです。

そんな宇宙に思いを馳せてると、自分の存在などちっぽけで無力に感じるけれど、それが心地良くて好き。笑

過去の宇宙の姿である星空は毎晩、人類に永遠や無限をチラリズムして、人に野望を持たせたり祈らせたり、時にはニヒリズム・虚無感を感じさせていることでしょう。

脳科学と星空

じゃあ何故こんなにも人類は星空に魅了されるのか。科学的な研究はあるのか。

あるみたいです。

星の瞬き、川のせせらぎ、海のさざ波、風鈴の音、ロウソクの炎、心臓の鼓動、木漏れ日、蛍の光。

これらは、「1/fゆらぎ」と呼ばれ、心を癒すとされており、世界中で研究がされているそうです。

1/fゆらぎ : パワー(スペクトル密度)が周波数fに反比例するゆらぎのこと。

ちなみに、電車で眠くなるのも揺れが1/f だからだそうで、人が快感を感じるパターンだそうです。

確かにブランコやハンモックの揺れも心地いいわ。笑

とどのつまり、海辺のハンモックで誰かとキャンドル灯して星空眺めたら1/fゆらぎマックスですね。笑

流れ星と流星群

「流れ星に3回願い事をすれば願いは叶う」とよく聞きます。

まぁ流れ星って1秒くらいで消えてしまうので、願い事を考える間もないことが多々ですが。

で、この流れ星の正体は宇宙の屑、塵。

正しく言うならば、すい星から噴き出た砂粒なのだそうです。

ちなみに、流れ星にまつわる研究が進んだのは意外と最近で、ここ50年くらいで解明されつつあります。

しかし、1ミリ弱の砂粒が、秒速70キロメートルとかで地球に突入して最後に燃え尽きる瞬間をわたしたちは流れ星と呼んでいるなんて驚きですよね。

MARVELのヒーロー並み、もしくは以上のスピードですね。笑

ちなみに桜の花びらが落ちるスピードは、秒速5センチメートル

どっちも趣があるけど比較の想像がつかなすぎるわ。笑

そんな趣深い星空での年間を通したビッグイベントを以下にまとめてみました。

夏の星空

ペルセウス座流星群

「ペルセウス座流星群」は、三大流星群の1つです。

毎年8月中旬ごろ(お盆あたり)に観測でき、夜間の気温も高いことから、最も観測しやすい流星群と言われています。

というのも、条件がいい時には、1時間あたり30個から60個の流星を観察できます。

ちなみにペルセウスは、ギリシャ神話で登場する英雄、大神ゼウスの息子です。

彼をモチーフにした「ペルセウス座」のあたりには天の川が流れていて、双眼鏡を覗くと万華鏡みたいな瞬きを楽しめます。

なので、ペルセウス座を見つけたら、「天の川あそこらへんじゃん?」と推測もできます

また、ペルセウス座には「悪魔の星」といわれる変光星アルゴルがあります。

アラビアでは、この星がときどき明るさを変えるため「最も不幸で危険な星」と呼ばれるのだとか。

そんな曰く付きのペルセウス座に流星群が顕著に現れるのは、8月13日午前3時頃だそう。(2020年)

2,3日ピークは続きますので、天候などを見ながら日程を組むのをお勧めします。

部分日食

6月21日の夕方、日本全国で部分日食が起こります。

日食:月が太陽の前を横切るため、月によって太陽の一部(または全部)が隠される現象。

次に日本全国で部分食が起こるのは2030年6月1日なので、今回を逃したら10年後ということになります。

天体マニアには必見です!笑

東京では、16時11分から17時10分に観測可能とのこと。

肉眼で観察は危険なので、太陽観察オペラグラスを取り寄せましょう。

七夕

もう一か月後には日本の風物詩の1つである七夕の時期ですね。

通常知られる七夕の日時は7月7日ですが、国立天文台は近年、「伝統的七夕」を推奨しています。

「伝統的七夕」の日は、梅雨明け後で晴天率が高く、月が沈んだ後には、天の川がくっきりと見える観察条件となるそうです。

ちなみに、今年は8月25日だそう。

参照: https://www.nao.ac.jp/faq/a0310.html

今年は各地で七夕祭りや花火大会までもが中止となってしまい、日本のお祭り好きには大打撃ですが、星空で癒されましょう!笑

冬の星座

ふたご座流星群

こちらも夏のペルセウス座流星群につづいて、三大流星群のひとつです。

毎年ほぼ一定して多くの流星が見られるという点では、年間最大の流星群と言われています。

でも、めちゃめちゃ寒いです。笑

条件が本当にいいと、1時間に100個程度の流星を数えられると言われる最強なふたご座流星群。

2020年のふたご座流星群は、極大が日本で観察しやすい時間帯に近く、月明かりの影響も少ないとのことで、かなり良い条件で観察できるそうです。

今年2020年は、12月14日に日付が変わる頃(つまり13日夜中)、最大で1時間あたり55個前後の流星が見られるとのこと。

今年はどこで観察しようかな。

南十字

北極星のように目立った星がない南天の空において、大航海時代、南極の方角を知ることのできる重要な存在だった南十字。

ちなみに、オーストラリア、ニュージーランドなどの国旗で描かれているのも南十字星です。

南方にある星座のため北半球では見えない場所が多いですが、実は沖縄で唯一観測が可能なのだそうです。

南十字星が見られるのは、1月~6月頃とされており、この時期沖縄へ行く方は少ないかもしれませんが。

閑散とした夜のビーチで眺めたらさぞ素敵でしょうね。

最後に

宇宙には、地球上にある砂の数以上に星が存在すると言われています。

私たちが死んでも朝は来るのだろうし、夜も来るのだろうし、人類が滅亡しても、宇宙は何もなかったように平然と存在するんだろうな。

そう考えると、最近よく言う「人生100年時代」というのもあっという間でしょうね。

まぁひとつ確実なのは、よぼよぼのお婆ちゃんになっても、星空は仰いでいるだろうことかな。